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富野ガンダム最新作「Ring of Gundam」上映! 富野・本広対談も実現

2009-08-27 19:54

8月21日(金)から23日(日)まで、東京ビッグサイトで「機動戦士ガンダム」30周年記念大博覧会「GUNDAM BIG EXPO」が開催された。ガンダムの大きなイベントは‘81年の「アニメ新世紀宣言」‘98年「ガンダムビッグバン宣言」に続くもの。今回は「Always Beginning  いつだって始まりだ。」がテーマだ。

国際会議棟にて行なわれたスペシャルステージでは富野総監督による30周年記念ショートフィルム「Ring of Gundam」の上映とキャストによるトーク、さらに映画監督の本広克行をゲストに招いた対談が行なわれた。

冒頭、富野総監督は「プラモデルにしかなかったようなガンダムが、実寸大になって東京のウォーターフロントに立った時に、時代は変わってきたと思いました。と同時に、我々自身がアニメの中で見た夢や問題が現実の中に近づいてきたと実感するようになった。今年という時点ではオモチャカラーはピースフルで力のあるものに見えている。若い世代に対して希望を与えることになるから、ガンダムを一つのシンボルのように捉えることは間違えではないと思う」と挨拶をした。これが「Ring of Gundam」のテーマのヒントになっているという。

続いての本広監督との対談では、本広監督に対して「ヒットして世間との広がりが見えてきた時に、どう自分を見せて作品を作っていくかという縛りは、好きに作品を作るレベルとははっきり違う。公共に向けて自分の思いを伝えるだけではプロとして失格だと自覚した」と示す。

また、話は作家性について及び、「僕の場合はガンダムを土台にテーマ性を乗せていく方法を取っている。逆に言うと、それが僕の作家性の薄いところ。作家性が強い作品は作るなと言いながら、作家性がない自分ということが矛盾しているのは自覚している。まさにその際をすり抜けながらヒットを作らなくてはいけないのがプロ。ニュートラルに作っていけばインターナショナルに行ける作品が作れるようになるかもしれない。それをどこに据えるかというのが難しい」と語る。

また、先日行なわれたロカルノ映画祭における日本アニメの特集上映についても話が及び、「僕より一回り二回り若い世代の制作者はきちんとインターナショナルに向けての言葉遣いを持っていて、こういう人たちが後に続いていると大丈夫。色とりどりの作品のひとつを提供しているときちんと言える人々がいると、外国人は総量を見ると今まで思っていたジャパニメーションと違うなと思うようになる。それを空気感として感じた」

さらに、海外に向けた文化ビジネスの話題では「海外に売るときに変に日本人的にへりくだって商売をするのが良いことなのか? 文化的なアクションでこうまで後手後手になって、一部の人間が金儲けをしている。ネットの時代ではこうした敵がさらに見えなくなる。そういう世界に向かってメッセージを発したり作品を作るのは大変過酷な時代になった。明日のことは分からない、どう対処したらいいのかと考えると、今日現在の監督の『私』という部分で作品を作ると10年後には突破できないぞということです」と終始真剣な様子で対談を終えた。

後半は「Ring of Gundam」の上映が行われ、ゲストにエイジィ役の川岡大次郎とユリア役の平田裕香が登場した。キャストは単に声を当てただけではなく、フル3DCGで作られたキャラクターの元として実際に芝居をした。演技をつけたのはもちろん富野総監督。今回の映像はモーションキャプチャーを使わずに行われ、制作スピードと再現度合いに富野総監督も驚いたとコメント。完成した映像を見たのは初めての二人は、自分の仕草がそのままに再現されていることに感動した様子だ。

ここで急遽、再び本広監督が呼び戻されて制作の様子などが語られた。本広監督は本作では富野総監督の下、助監督のような仕事をしていたという。本広によると芝居をつけている富野総監督は非常にエネルギッシュで、コンマ数秒の演技まで指導していたという。

川岡は「ガンダムとほぼ同世代ということで感慨深い。この先僕が40歳、50歳になってもガンダムの成長とともに皆さんと楽しんでいきたい」と語った。平田は「頭が真っ白になってしまうくらい、感動という言葉では足りないくらい衝撃を受けた。皆さんが受けた衝撃がどのようなものか教えて欲しい。富野さんの頭の中でどう動いているものが集約されて今の映像になったのか、すごく楽しみにしている」と今後を期待させるコメントだ。本広は「コンテを見た時に全く解読できなかった。監督は物事を想像させる方に絵コンテを作っていって、世界観の刺激をもらうのですが、物語は何も言っていない。何てものを作るのかと震えていた。世界観を与える人は富野さん以外知らない。とヨイショしておきます(笑)」と話した。

最後に富野総監督から宣誓が行なわれた。「過去を振り返らず、『Always Beginning いつだって始まりだ。』という宣誓を持ってして我々は進んでいきたいと思う。『私はこうだ、僕はこうだ』と思った瞬間に、時間は止まってしまう。そのような人に明日は開けない。『Always Beginning』でなければならない。だからこそ僕はガンダムの輪をもっと大きな形で作るために、このようなものからもう一度始めていきたいと提案した。今回の『Always Beginning』という言葉は僕にとっての足場になっていると同時に、皆さんが支えて頂ければ地球を使うことを1000年・2000年伸ばすことができるのではないかと思っている」と語り、宣誓とした。

「Ring of Gundam」は「GUNDAM BIG EXPO」会場内で上映されたが、今後どのようにリリースされていくかは‘09年8月27日時点では未定となっている。

「Ring of Gundam」
■キャスト
エイジィ:川岡大二郎
ユリア:平田裕香
ビューティ:小清水亜美
グレン:ゴング桑田

■制作スタッフ
原作:矢立肇 富野由悠季
脚本:富野由悠季
絵コンテ:斧谷稔
オリジナルガンダムデザイン:大河原邦男
デザイン:安田朗、西村キヌ、剛田チーズ、早野海兵、藤田潔、山根公利
美術設定:池田繁美
ガンダムモデリング:早野海兵
音楽:菅野よう子
制作:サンライズ、ロボット
企画・製作:サンライズ

総監督:富野由悠季


取材・文:日詰明嘉


ガンダム30周年記念サイト
http://www.gundam30th.net/