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「CLANNAD -クラナド-」 監督・石原立也インタビュー及び最新PV公開!
2007/10/10
伝説の"泣きゲー"「AIR」「Kanon」のアニメ版、そして「涼宮ハルヒの憂鬱」の監督
京都アニメーション・石原立也の最新作「CLANNAD -クラナド-」の最新情報!
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CLANNAD -クラナド- 特報
『AIR』の夏、『Kanon』の冬、そして舞台は『CLANNAD』の春へ。友達、家族、様々な人と人の絆を描くKey原作の人気ゲームがついにTVアニメ化決定!!TVアニメーション「CLANNAD」2007年10月4日より放送開始!
©VisualArt's/Key/光坂高校演劇部
監督・石原立也インタビュー
―基本的にアニメは動いてなんぼですが、以前監督をされた「AIR」「Kanon」などでも、動かないことで伝える演出が多々あったと思います。動画作品のなかでの静止表現で伝えたいこととはなんでしょうか?
石原:特にここは止めた演出にしようとか、あまり考えてはやってないんです。止めた演出って、風景などを見せることが多いですね。外国の場合がどうだかはわかりませんが、日本だと〝情緒〟っていうものがある。たとえば夏の風景や、日本独特の風景。そんな風景を見たときに得る独特の思いがあると思います。そういった感覚を物語中に盛り込みたいとき、風景を止めています。物語は空間ですから、視聴者がその場所にいるような臨場感を感じてもらえればなと思い、そういうシーンを入れています。
―「AIR」の場合は夏で、「Kanon」は冬でした。「CLANNAD」は春ですが、春を意識する背景を見せていくのでしょうか?
石原:春というのは、夏や冬と比べるととても曖昧なんですよね。たとえば夏の花なら、ひまわりや鳳仙花って、いろいろ浮かびますが。春の花の場合、もちろん桜とか代表的なものはありますが、咲いている期間が短いですよね。「CLANNAD」の場合、物語の舞台がずっと春の頭というわけではなく、桜も散ってしまう。意外とやりにくい時期だなと思っています。もちろん5月になればツツジなどが咲くのですが。そう考えると、春らしいキーワードや、日本人が春を感じる事象って、春先のものが多い気がするんです。芽吹いている草木、色味は若葉色、新緑みたいな背景にするように工夫はしていますね。ただ、意外と春というものは漠然としているな、という感じです。「Kanon」のときは、背景の塗り方を意識して、影色のコントラストをやや低めにしてますが、「CLANNAD」の場合、少しコントラストを強めにしています。この〝強め〟というのは、処理としては夏と変らないんですよ。だから、春だからという演出よりは〝春っぽさ〟を意識しています。春だからコレっていうのはなかなかないですね(笑)。
―キャラクター自身は止まっていても、髪の毛が動いている演出がありますね。あれは静の演出として特徴的だと思いますが。
石原:僕の場合、キャラはだいたい動いているんです。特に髪の毛を揺らさなきゃという意識はなく、揺れる必要があったから揺れさせています。
―今回の「CLANNAD」はギャグシーンが多く、メリハリがはっきりしていますね。動きの演出についてこだわった部分はありますか?
石原:「AIR」「Kanon」はどちらかというと静かなシーンが多かったんですよ。それに物語がシリアスで、人間の死など、重いものを扱っている部分があったのですが「CLANNAD」の場合、泣きと笑いのバランスが大事だなと思いました。Keyの作品は、〝泣きゲー〟って言われていますが、泣きだけじゃなく、かなり笑いの要素も入っている。そのあたりのギャップ……というより泣きと笑いのハーモニーといいますか(笑)。この作品は、すごくおかしいけど、最後ホロっとするような部分が大きいと感じたんです。よく「CLANNAD」がユーザーから評価されるとき、狙った泣きではないという話をよく聞きます。誰かが死んじゃうからかわいそうだ、という泣きではなく、最後によかったねって思える感動を与えてくれる。泣きと笑いのバランスが静と動にもつながっていくのかな。それにゲームの方でもギャグが多かったですよね。春原なんかは、かなり動いてくれるので、そのあたりがお笑いの動の部分。そういった部分が「AIR」「Kanon」よりも増えていますね。
―スピード感があるシーンが多いなとも感じましたが、そのために工夫しているところはありますか?
石原:スピード感を出すため、逆にスローモーションを使っていますね。智代のバイク破壊シーンでは、バババっと目にもとまらぬ速さで蹴ったあと、不良たちが落ちていくところなどです。「CLANNAD」は、楽しいこと優先なので、おもしろいと思った技法は、どんどん使っていこうと思っています。
―カメラワークも凝っていると思います。
石原:広角レンズは好きでよく使う技法ですね。ただ、広角レンズはけっこうやっかいで、画面内の情報量が一気に増えるんです。逆に望遠レンズは情報量を整理するために使うことが多いんですけどね。先ほども言いましたが、風景などを見せたいなっていう意図もあって広角レンズを使います。それと部屋の中を撮影するとき、狭い日本家屋の壁を平気でぶち抜くようなカメラワークがありますが、できればあまりやりたくない。自然なカメラで取れるようなレイアウトで撮りたい。室内では広角レンズを使うことが多いですね。でも、あれは情報量だけでなくて、アニメーターの技量も要求されるので、嫌われるんですが……見せる側としてはできれば使っていきたいと。
―キャラクターの表情の変化がすごく細やかです。表情の演出でこだわっている部分はどこでしょうか?
石原:幸い「Kanon」などでも、割とフレーム毎の枚数を多くつくらせていただいているので、その分細かく動かせています。でもやっぱり、セリフにあわせてキャラの心情が変わっていくのがふつう。そのときのキャラクターの心情が、よりわかるような表情をつくっているだけですね。
―表情を描くとき、参考にされるものはありますか?
石原:原作の雰囲気は壊したくないので、原作の表情を参考に原画さんに指示しています。芝居する上で違う表情が必要なこともありますが、原作にはない表情をつくるときも、なるべく原作のキャラクターがやるであろう範囲を超えないよう気をつけています。
―ギャグとシリアスの融合という点で、気をつけているところはどこでしょうか?
石原:昔と現在のアニメではかなりテンポが違うと感じています。昔はギャグの部分から泣きのシーンに移行するとき、今よりも時間をかけていたはず。でも、今の若い人から見ると、あんまり時間をかけるとタルく感じられてしまうのではないか? ひょっとしたらギャグのシーンから、すぐに泣きや寂しいシーンに移行しても、意外とついてきてくれる……そのくらいのテンポでないと飽きちゃうかなと思っています。ジグザグなバランスをとっていて、ギャグがきたら、次にはトーンが落ちての繰り返しですね。原作でもそうですが、先に笑えるシーンを入れておくと、次にくる悲しいシーンがより悲しくなる。「AIR」の場合は、わりと静かなシーンだけでも物語は成り立ったのですが、「CLANNAD」は、たとえ尺がなくても笑いを入れなければイカン気がしたんですね。
―笑いが必要という話でしたが、作品自体は人間ドラマが物語の根幹にあると思います。物語を描く際、一番重要視している部分はどこでしょうか?
石原:自分が原作で泣けたところを外さなければ、アニメも同じことが伝えられるだろうと思っています。ただ、それをアニメに入れ込むのに多少工夫は必要だとも感じています。特に時間のコントロールが大変。ゲームだとプレイヤーのタイミングでシナリオを読み進めていける。たとえば、いいセリフがあれば何度も反芻して「いいシーンやな」って感じで、次へ進めるわけですが、アニメではそれができないんです。なるべく僕自身でも納得できるようなタイミングでと思ってつくっていますが……難しいなと感じながらやってます(笑)。
―一話の冒頭がモノクロシーンでしたが、この演出の意図はなんでしょうか?
石原:映画でもよく使われている手ですよね。主人公が誰かと出会うことによって世界が変わる、ということを単純に現わしたかった。テレビ局側からしたらあまりうれしくない演出らしいですが(笑)。僕も写真を撮るのでわかるのですが、モノクロにはモノクロの世界がある。情報をかなり整理できるんですよ。伝えたいことを伝えるため、余計なものを排除する際、アニメーションではほかの情報を整理する必要がある。単に雰囲気が出るだけでなく、そういう意味でモノクロを選ぶことは、将来的にもあるでしょうね。
―視聴者を泣かせようと思って意図したことはありますか?
石原:基準とするのは常に僕自身。コンテを書いていて泣けるか否かです。原作のこのシーンで自分は泣いたから、ほかの人にも泣いてほしいなというのがあります。でもそれも危険なんですよ、つくっている側があまり世界に入りすぎるのも(笑)。正常な判断ができない気もします。ただ、僕の判断しか判断方法がない。だから「このアニメは泣けます」ってあまり言ってほしく無いんですよね(笑)。泣けるって、言われたら泣きを期待しちゃう。「みなさん、これ泣けるでしょ、泣きましょうよ」って演出は僕にはできないし、したくない。今回、演出さんに言っているのは、悲しい泣きよりも「よかったね」っていう感じで感動できるといいなと。
―これから「CLANNAD」を見ようというファンに対し、期待してもらいたい部分はどこでしょうか?
石原:本作で扱っているテーマは意外とまじめです。ウザいと思う人がいるかもしれないですね。でも、それはやっぱり大人が伝えなくちゃならないものなんです。シリアスばかりだとつまらない。「CLANNAD」のテーマはまじめですが、だからといって作品自体が、堅苦しく重いものではなくて、おもしろおかしいことばを使いつつ、重たいテーマを伝えたいですね。若い人の中には働いたら負けかなと思っているような方もいるみたいですけど(笑)。やっぱり人間働かなきゃダメですよ。働いてちゃんと家族を養って。そう言うと、なんだかすごくおもしろくなさそうな作品に聞こえますか?(笑)。でも、それは本当なんです。「CLANNAD」の原作者が、よくこのようなな物語をつくろうとしたなと思います。その勇気がすごい。だってゲームって遊びじゃないですか、遊びの中でこんなリアルでシリアスなシーンなんて見たくないじゃないですか。おそらく原作者が大事だと思って入れたんでしょう。だから表向きはかわいい女の子がたくさん出てくるたのしいアニメだよって、書いておいてくださいね(笑)。きっと見終わったあとには、何かが残ってるはずで、楽しいだけではないですよ。
―監督がこれまでお仕事されてきた中で、いちばん影響を与えてくれた作品はなんでしょうか?
石原:僕が今まで関わらせていただいた作品は、どれも素晴らしい作品ばかりでしたし、僕自身もとても楽しくやらせていただきました。その中で意外に思ったことがあります。僕は子供のころからSFアニメが好きだったのですが、当然、自分がつくる場合もそういう作品が好きなのかなと思っていたんですね。でも印象に残ってるのは、スタジオぴえろでやらせてもらった「赤ちゃんと僕」。あれがおもしろかった。そこで、僕は日常芝居が好きだって、気付いたんです。「CLANNAD」、「Kanon」「AIR」にも非常に大きく影響しているかもしれません。そういえば「赤ちゃんと僕」も「CLANNAD」と同じく家族がテーマでしたね。
―子供の頃から好きだったというSFとのお話ですが、具体的にはどのような作品がお好きですか?
石原:ジュール・ヴェルヌやH・G・ウェルズとか。アニメの影響もあって、「キャプテン・フューチャー」の原作なども読み漁ったりしました。SFって、古典的名作を選んだほうがハズレは少ないなと思いました。
―最後にファンの方へメッセージをお願いします
石原:魅力的なかわいいい女の子がいっぱい出てきて一見、萌えアニメに見えます。そういう見方も確かにできると思いますが、それだけではない。非常に深いテーマももっているので、そのあたりに期待しつつ最後までご覧ください。

石原立也 プロフィール
アニメーション監督、演出家。1966年7月31日生、京都府舞鶴市出身。京都アニメーション所属。同取締役。主な監督作品にアニメ版「AIR」「涼宮ハルヒの憂鬱」「Kanon」等がある。
©VisualArt's/Key/光坂高校演劇部
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